掬  木村ふみの仕事

木村 ふみ 著

オールカラー208ページ
本体価格 3,800円

木村ふみ氏は約30年にわたり人を快適にもてなす空間作りを手がけ 常に第一線で活躍、他の追随を許さぬ足跡を残してきました。
食、アート、工芸、花など、空間を彩るあらゆる素材を総動員し、 個人のテーブルから、ホテル、レストラン、企業、更には沖縄サミットに至るまで、その表現の場は多岐にわたります。
そこでは古今、東西、硬軟、互いに相反するかに見える要素も違和感なく統合され、 誰もが表現できなかった静かで上質な空間が展開されているのです。 それは建築ともインテリアコーディネーションとも称することができない「木村ふみの仕事」と言うべきものであり、 戦後数十年を経て我が国が獲得した美しい空間作りの見事な成果と言っても過言ではありません。 ここに一部とはいえ、150点に及ぶビジュアルと、深い教養と見識に裏打ちされた滋味あふれる文章を併せて 通観してみると、その仕事の奥行の深さと幅、何よりその完成度に改めて驚かされます。
相反するものを柔らかく「掬?むすぶ」ばかりではなく、人と人、それを掬ぶことこそ、彼女の仕事の本旨であると気づくのです。

本書の構成
第一部 卓上の世界
 「節句のしつらい」「守破離の食卓」「共鳴のときの3パートにわたり、食卓をとりまく華やかな演出の世界を紹介。
第二部 花にあそぶ
 「器との共鳴」「祭事の作法」の2パートにより、花を活用した工夫と作法の数々を紹介。
第三部 寸法の美学
 自らデザイン・プロデュースした様々な工芸を、その発想と完成にいたる経緯とともに紹介。
第四部 空間とアート
 ホテルのロビーや客室、レストランなど、アートをとり入れて空間を構築した仕事を紹介。
第五部 食とパーティ
 数時間のパーティのために凝縮された木村流もてなしの神髄を、具体的な仕かけにもふれながら紹介。木村 ふみ
東京生まれ。大学で美術史を専攻。現在、株式会社エデュウス代表取締役、株式会社ユーアイ代表取締役。 近年では、パークハイアット東京(1994年~)、グランドハイアット東京(2003年~)、ハイアットリージェンシー京都(2006 年~)のフローラル・デザインをはじめ、様々なホテルのアート・プログラムを行なっている。 2000年には九州・沖縄サミットの首里城晩餐会におけるテーブル装飾も手がけた。