極彩の闇 絵金
幕末から土佐を舞台に活躍し「芝居絵屏風」を大成した絵師・金蔵 (通称、絵金)。生誕200年を迎える今年(2012年)、
高知県立美術館で大規模な展覧会が開催されたが(10月28日~12月16日)、
本書はその公式図録でもある。《子供四季風俗図》《土佐震災図絵》《絵本大変記》など、
これまでほとんど掲載されなかった画帖を含む作品の網羅的な掲載はもとより、祭礼写真も多く盛り込むことで、芝居絵が飾られる本来の雰囲気を伝える。
また、凄惨な場面の描写で知られる絵金のユーモアに着目したページを設けたり、
最新の科学調査の結果も報告。映画や舞台を含め絵金を取り巻く没後の言説を素描することで、
絵金像の流布もフォローする。従来にはないアプローチで謎に満ちた絵師に迫る定本!